📰 1977年6月 特集記事 📰
コンピュータがついに家庭へ!
シリコンバレーの新興企業 Apple Computer(アップルコンピュータ) は、画期的なパーソナルコンピュータ「Apple II」 を発表・発売した。
これまでコンピュータは企業や研究機関向けのものだったが、Apple IIは 「一般の人々でも簡単に使えるコンピュータ」 を目指して設計されている。
これは、コンピュータ業界にとって革命的な出来事であり、パーソナルコンピュータ(PC)の普及を加速させる可能性がある。
Apple IIとは?
Apple II は、Apple Computer社(現:Apple Inc.)が開発した、一般向けのパーソナルコンピュータ である。
Apple Computerは、1976年にスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs) と スティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak) によって設立され、
前年にApple I を発表していたが、Apple Iは基板のみの販売であり、実際に使うにはユーザー自身でケースやキーボードを取り付ける必要があった。
今回発表された Apple IIは、初めて「完成されたパーソナルコンピュータ」として提供される製品 であり、技術者だけでなく、一般の消費者でもすぐに使用できる設計となっている。
🔹 Apple IIの基本仕様
項目 | Apple II |
---|---|
発売日 | 1977年6月 |
価格 | 1,298ドル(4KB RAMモデル)、2,638ドル(48KB RAMモデル) |
プロセッサ | MOS 6502(1MHz) |
メモリ | 4KB(最大48KBまで拡張可能) |
ディスプレイ | 40×24文字、カラーグラフィックス対応 |
ストレージ | カセットテープ(後にフロッピーディスク対応) |
拡張スロット | 8スロット |
キーボード | 内蔵 |
電源 | 内蔵(スイッチング電源) |
💡 Apple IIは、これまでのパーソナルコンピュータとは異なり、完成品として提供され、箱から出せばすぐに使えるのが特徴だ。
Apple IIの革新性
Apple IIは、従来のコンピュータとは異なる、いくつかの画期的な特徴を備えている。
(1) 初の「カラーグラフィックス」対応PC
Apple IIは、カラーグラフィックスを標準でサポート する初のパーソナルコンピュータである。
最大で16色表示が可能 であり、ゲームやグラフィックアプリケーションの開発に適している。
📌 従来のマイクロコンピュータ(Altair 8800やIMSAI 8080)は、テキスト表示が主流で、カラー表示は考慮されていなかった。Apple IIはその常識を覆した。
(2) 一体型の設計
Apple Iは基板のみの販売だったが、Apple IIはケース・キーボード・電源を内蔵 し、すぐに使える状態で提供される。
さらに、Apple IIはスイッチング電源を採用 しており、従来のトランス式電源よりも軽量で発熱が少ないという利点がある。
📌 これはスティーブ・ジョブズの設計哲学によるもので、コンピュータをよりシンプルで使いやすくすることを目指している。
(3) BASICが標準搭載
Apple IIには、マイクロソフトが開発した**「AppleSoft BASIC」**(後のバージョン)を搭載。
これにより、ユーザーは簡単なコマンドを入力するだけで、プログラムを作成し実行することができる。
📌 当時、コンピュータの操作には専門的な知識が必要だったが、BASICの採用により一般の人々でもプログラムを作成できるようになった。
(4) 拡張性の高さ
Apple IIは、8つの拡張スロットを備えており、追加の周辺機器を接続できる設計 になっている。
このスロットを活用することで、フロッピーディスクドライブ(Disk II)やプリンタ、モデムなどを接続できる。
📌 この拡張性の高さが、Apple IIを長く使えるシステムにしている。
Apple IIの市場への影響
Apple IIは、これまでのコンピュータとは異なり、一般家庭でも利用可能なコンピュータ として設計されている。
これは、コンピュータの未来を大きく変える可能性を持つ製品 だ。
✅ (1) パーソナルコンピュータ市場の確立 Apple IIの登場により、パーソナルコンピュータ市場はさらに拡大する可能性がある。
これまでのマイクロコンピュータ(Altair 8800など)は、技術者向けの組み立てキットだったが、Apple IIは一般消費者でもすぐに使える製品 となっている。
✅ (2) ソフトウェア産業の発展 Apple IIは、BASICを標準搭載しているため、サードパーティのソフトウェア開発が容易 になる。
これにより、ゲーム、ビジネスアプリケーション、教育用ソフトウェア など、パーソナルコンピュータ向けのソフトウェア市場が生まれる可能性がある。
✅ (3) 他メーカーへの影響 Apple IIの成功次第では、IBMや他のコンピュータメーカーもパーソナルコンピュータ市場へ参入する可能性がある。
これは、コンピュータ業界全体の方向性を大きく変えることになるかもしれない。
まとめ:Apple IIが切り拓く未来
✅ Apple IIは、初めて「完成されたパーソナルコンピュータ」として発売された製品であり、技術者だけでなく一般消費者も対象としている。
✅ カラーグラフィックス対応、BASIC標準搭載、拡張スロットによる柔軟性など、従来のマイクロコンピュータとは一線を画する革新性を持つ。
✅ Apple IIの成功は、今後のパーソナルコンピュータ市場の成長を加速させる可能性が高い。
✅ パーソナルコンピュータが本当に「家庭に普及する」時代が、今始まろうとしている。
🚀 Apple IIは、コンピュータを個人の手に届ける第一歩となるかもしれない。今後、どのように普及していくのか、目が離せない! 🚀
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