1989年4月。
高校への入学と同時に、アルバイトを始めました。
目標ははっきりしていました。
100万円を貯めること。
当時としても決して小さな金額ではありません。
けれど、その先には明確な目的がありました。
目標は100万円という現実的な夢
購入を考えていたのは、単なるパソコンではありません。
- X68000 本体
- 専用ディスプレイ
- MIDIボード
- シンセサイザー
- モニタースピーカー
一式を揃えるには100万円近い資金が必要でした。
高校生にとって、それは「夢」でありながら、
働けば届くかもしれない現実的な目標でもありました。
憧れだったX68000という存在
1987年に登場したX68000は、家庭用パソコンでありながら
ワークステーションに近い性能を持つ特別な存在でした。
アーケードゲームに匹敵する描画能力。
本格的な音楽制作環境への拡張性。
当時のパソコン雑誌を読むたびに、
「いつか自分の部屋に置きたい」と思わせる機械でした。
MIDI音源とシンセサイザーへの夢
音楽制作環境として考えていたのは、
- Roland MT-32
あるいは - Roland CM-64
さらに、
- YAMAHA V50
という構成でした。
MIDIによってコンピュータと楽器が接続され、
自宅で本格的な音楽制作が可能になる時代。
DTM(デスクトップミュージック)という言葉が、
ようやく現実になり始めた頃でした。
学校生活への複雑な気持ち
正直に言えば、学校そのものには
すでに強い期待を持てなくなっていました。
「もう行きたくない」
そんな感覚を抱えながらも、
新しい環境と新しい自由が始まる時期でもあります。
アルバイトによって得られる収入は、
単なるお金ではなく、自分の選択肢そのものでした。
働きながら過ごす一年の決意
昼は学校へ通い、
放課後は働き、
少しずつ目標へ近づいていく。
1989年の春は、
子どもから自分の意思で動く存在へ変わり始めた時間だったように思います。
一年間、しっかり働きながら、
そして可能な限り学校生活も楽しむ。
そう決めた春でした。
まとめ
高校入学と同時に始まったアルバイトは、
単なる資金集めではなく、
「自分の未来を自分で買うための準備」
でもありました。
X68000とMIDI環境への憧れは、手に入れたい技術と夢そのものだったのかもしれません。