Microsoft Excel 入門「漢字の並び替えがおかしい理由」

Excelでリストを並び替えた際に、「あれ？漢字の順番が思った通りにならない…」と感じたことはありませんか？五十音順に並ぶはずのリストが意図しない順序になることがあり、特に名簿や住所録を扱う際には頭を悩ませる問題です。

この現象は、Excelの並び替え機能が漢字の読み方（ふりがな）に依存するために発生します。本記事では、Excelにおける漢字の並び替えの仕組みと、正しく並び替えるための対策について詳しく解説します。

漢字の並び替えが正しく行われない理由

Excelの並び替え機能は、文字列データを並び替える際に以下のような仕組みを採用しています。

ふりがな情報をもとに並び替えを行う
- Excelは、漢字データを並び替える際に「ふりがな情報（Phonetic情報）」を基準にします。
- 例えば、「山田」「佐藤」「中村」を並び替える場合、ふりがな情報が「やまだ」「さとう」「なかむら」であれば、「佐藤 → 中村 → 山田」の順番になります。
- しかし、ふりがなが正しく設定されていない場合、意図しない順序になることがあります。
自動的に割り当てられるふりがなに誤りがある
- Excelは入力された漢字に対して、自動的にふりがなを割り当てます。
- 例えば「行田」は「ぎょうだ」ではなく「こうだ」と認識されることがあり、並び順が正しくならない原因になります。
ふりがなが未設定の場合、文字コード順に並ぶ
- ふりがなが未設定のセルは、Excelが内部的に持つ文字コード（Unicode）に基づいて並び替えられます。
- そのため、意図しない並び順になることがあります。

Excelで正しく漢字を並び替えるためには、以下の方法を試してみましょう。

ふりがなを明示的に設定する
- 並び替え対象のセルを選択し、[数式]タブの[ふりがな表示]を確認。
- もし間違ったふりがなが設定されている場合、[ふりがなの編集]を開き、正しい読み方を入力。
新しい列を作成し、手動でふりがなを入力する
- 別の列に「ふりがな専用列」を作成し、すべてのデータに正しいふりがなを手入力する。
- その列を基準に並び替えを実施すれば、確実に正しい順番になる。
PHONETIC関数を利用してふりがなを取得する
- PHONETIC関数を使うと、セルに設定されたふりがな情報を取得できます。
- 例： =PHONETIC(A2)
- 取得したふりがなを修正し、その列を並び替えの基準にすることで、正しい順序に並びます。
文字コード順で並び替えたい場合はUNICODE関数を利用
- ふりがなを使わずに、文字コード順で並び替えたい場合、UNICODE関数を活用。
- 例： =UNICODE(A2)
- ただし、これでは一般的な五十音順にはならないため注意が必要です。

Excelで漢字の並び替えを行う際は、以下の点に注意しましょう。

ふりがなの自動設定は完璧ではない
- Excelが自動的に割り当てるふりがなは、必ずしも正しいとは限りません。
- 地名や人名など、特殊な読み方をするものは手動で設定するのが望ましいです。
データの修正後は並び替えを再実施する
- ふりがな情報を修正した後は、必ず並び替えを再実施し、意図した順序になっているか確認しましょう。
Excelのバージョンによって挙動が異なることがある
- 一部のバージョンでは、ふりがなの扱いに微妙な違いがあるため、特に異なるバージョン間でファイルを共有する際は注意が必要です。

Excelで漢字を並び替える際に「おかしい」と感じる原因は、Excelがふりがな情報を基準に並び替えを行うためです。

正しい順序で並び替えるためには、

といった方法を活用しましょう。

適切に設定することで、名簿や住所録などのデータを正しく整理し、効率的に活用できるようになります。

これを機に、Excelの並び替え機能をより深く理解し、実務に役立ててみてください！