第13回:仮想化とクラウドで動く Windows 11

― もはや「インストール先」は重要ではない

かつて Windows を語るとき、
最初に考えるのは「どこにインストールするか」だった。

  • 物理PC
  • デュアルブート
  • 仮想マシン

しかし Windows 11 では、
この問い自体が意味を失いつつある。

第13回では、
Windows 11 を 仮想化・クラウド前提のOS として捉え直す。


Windows 11 は仮想化を前提に設計されている

Windows 11 は、
仮想化に「対応」しているのではない。

仮想化を前提に設計されている

  • VBS
  • Hyper-V
  • Windows Sandbox
  • WSL2

これらはすべて、
ハイパーバイザの存在を前提としている。


Hyper-V は特別な機能ではない

Hyper-V は、
サーバー向け機能という認識が根強い。

だが Windows 11 では、
Hyper-V は 基盤技術 だ。

  • 他の仮想化機能の土台
  • セキュリティ機能の前提
  • 開発環境の必須要素

無効化するという選択は、
OS の設計思想を否定する行為になる。


仮想化とパフォーマンスの誤解

「仮想化すると遅くなる」

これはもはや、
常に正しいとは言えない。

  • ハードウェア支援仮想化
  • 仮想化前提ドライバ
  • I/O 最適化

により、
体感差はほぼ消えている

問題になるのは、
古いツールやドライバとの互換性だ。


Windows Sandbox の本質

Windows Sandbox は、
単なる使い捨て環境ではない。

  • Hyper-V ベース
  • 起動ごとに初期化
  • ホストと分離

これは、
ゼロトラストをローカルで実現する仕組みだ。

不審なファイルを実行する際、
Sandbox を使わない理由はない。


WSL2 が示した方向性

WSL2 は、
Linux を動かすための機能ではない。

  • 仮想化された Linux カーネル
  • Windows と高速連携
  • 開発環境の統合

WSL2 は、
「OS 境界の無意味化」を象徴している。


クラウド上の Windows 11

Windows 11 は、
必ずしも手元に存在する必要がない。

  • Windows 365
  • Azure Virtual Desktop
  • リモートデスクトップ

これらにより、
Windows はサービス化した。

端末性能より、
ネットワークと認証が重要になる。


デバイスは「端末」になった

Windows 11 を動かす PC は、
もはや主役ではない。

  • 処理はクラウド
  • 状態は同期
  • 認証は集中管理

デバイスは、
アクセスするための入口でしかない。


技術者が考えるべき設計軸

  • どこで動かすか
  • どこにデータがあるか
  • どこで認証するか

これらを分離して考えることが、
Windows 11 時代の設計になる。


個人・開発・企業環境での使い分け

個人環境

  • Sandbox を活用
  • WSL2 で開発環境を分離

開発環境

  • 仮想マシン前提設計
  • 環境差異を最小化

企業環境

  • 仮想デスクトップ活用
  • デバイス依存を排除

Windows 11 は「場所」から解放された

Windows 11 は、

どこにあるOSか

ではなく、

どこから使えるOSか

になった。

この変化を理解できるかどうかが、
今後の Windows 運用を左右する。


次回予告

第14回:Android アプリと Windows 11
― なぜ Microsoft は Amazon Appstore を選んだのか。

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