10月4日、『新世紀エヴァンゲリオン』放送開始

少年は、なぜ戦わなければならないのか

1995年10月4日、テレビ東京系列にて
テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の放送が始まった。

巨大ロボットと謎の敵による戦闘。
一見すると、長い歴史を持つロボットアニメの系譜に連なる作品のように見える。
しかし第1話が放送された瞬間、この作品がどこか決定的に異質であることは明らかだった。


舞台は「2015年」

未来でありながら、どこか閉塞した世界

物語の舞台は西暦2015年。
主人公は14歳の少年、碇シンジ

彼は、長らく別居していた父・碇ゲンドウから突然呼び出され、
第3新東京市へとやって来る。

そこは、国連直属の非公開組織
特務機関NERV(ネルフ)が本部を構える要塞都市だった。

そして、到着早々にシンジは命じられる。

「エヴァンゲリオンに乗りなさい」


エヴァンゲリオンという兵器

「汎用人型決戦兵器」という言葉の重み

エヴァンゲリオンは、
「汎用人型決戦兵器」と呼ばれる巨大な人型兵器。

しかし本作では、
それはヒーローの象徴としてではなく、
使われる道具として描かれる。

操縦するのは、まだ14歳の少年。
しかも彼は、自ら望んで戦場に立ったわけではない。

ここに、本作の最大の特徴がある。


敵は「使徒」

正体も目的も明かされない存在

エヴァンゲリオンが戦う相手は
「使徒」と呼ばれる謎の存在。

彼らは明確な理由や思想を語らず、
ただ第3新東京市へと襲来する。

なぜ戦うのか。
なぜ守らなければならないのか。

その問いに対する明確な答えは、
少なくとも第1話の時点では提示されない。


ロボットアニメの「約束」を裏切る構造

従来のロボットアニメでは、

  • 主人公は戦う理由を持っている
  • 操縦者は成長し、英雄性を獲得する
  • 敵は明確な悪として描かれる

といった「約束事」があった。

だが『エヴァンゲリオン』では、

  • 主人公は拒絶し、逃げ、傷つく
  • 戦うことは称賛されない
  • 組織も大人も信用できない

という構造が、最初から示されている。


スタッフ陣

庵野秀明とGAINAXの挑戦

本作の企画・原作・監督を務めるのは
庵野秀明

キャラクターデザインは貞本義行
音楽は鷺巣詩郎

アニメーション制作は
GAINAXとタツノコプロ。

実験的でありながら、
商業テレビアニメとして成立させようとする
強い意志が感じられる布陣である。


主題歌が示す「違和感」

オープニングテーマ
「残酷な天使のテーゼ」は、
明るく疾走感のある楽曲だ。

だが映像では、

  • 意味深な単語
  • フラッシュカット
  • 未説明の設定や象徴

が矢継ぎ早に提示される。

視聴者は、
「理解する前に、放り込まれる」。

この感覚そのものが、
『エヴァンゲリオン』という作品の性格を象徴している。


始まったばかりの物語

1995年10月現在、
『新世紀エヴァンゲリオン』はまだ始まったばかりだ。

それが、

  • ロボットアニメの系譜をどう変えるのか
  • 視聴者にどんな問いを突きつけるのか

その答えは、これから明らかになっていく。

ただ一つ確かなのは、
これまでと同じ感覚では見られない作品が始まった
という事実だけである。

エヴァンゲリオン公式サイト
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