Windows 95 日本語版、ついに発売
― パソコンは「専門家の道具」から「誰のもの」へ
1995年11月23日、マイクロソフトは新しいパーソナルコンピュータ用オペレーティングシステム「Windows 95 日本語版」を正式に発売した。
この日を境に、パソコンは大きく姿を変えることになる。
それまで主流であったMS-DOSとWindows 3.1の組み合わせから脱却し、32ビットOSとして再設計されたWindows 95は、操作性・安定性・拡張性のすべてにおいて大幅な進化を遂げている。
「スタート」ボタンがもたらした衝撃
Windows 95最大の特徴は、新たに導入されたスタートメニューとタスクバーだ。
画面左下の「スタート」ボタンをクリックすれば、アプリケーション、設定、ファイル、終了操作までを一元的に扱える。
この直感的な操作体系は、これまでパソコンに不慣れだった一般ユーザーにとって、極めて大きな意味を持つ。
「コマンドを覚えなくても使える」
この一点だけでも、Windows 95は従来のPC環境とは一線を画していた。
日本語環境としての完成度
日本語版Windows 95では、
- 日本語入力システム(IME)の強化
- TrueTypeフォントの標準搭載
- 日本語アプリケーションとの高い互換性
といった点が重視されている。
ワープロ、表計算、データ管理といった用途が家庭や職場で現実的なものとなり、パソコンは一部の愛好家や技術者のものから、一般家庭・オフィスへと急速に広がる道筋を得た。
発売前から社会現象に
Windows 95は、日本語版発売以前からすでに世界的な注目を集めていた。
米国では深夜販売や行列がニュースとなり、日本国内でもPCショップや家電量販店に大きな関心が寄せられている。
高性能なハードウェアを必要とする一方で、
「これからパソコンを買うならWindows 95対応機を」
という空気が、市場全体を覆いつつある。
パソコンの「標準」が変わる
Windows 95の登場は、単なる新OSの発売ではない。
- GUI操作を前提とした設計
- インターネット時代を見据えた拡張性
- ソフトウェア開発環境の統一
これらは今後のパソコンのあり方そのものを規定するものだ。
1995年11月23日。
この日は後に、「パソコンが本格的に大衆化した日」として記憶されることになるかもしれない。


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