― 機能ではなく、思想を理解する
ここまで 15 回にわたり、
Windows 11 を 技術者の視点で見てきた。
UI、セキュリティ、ストレージ、認証、ネットワーク、
PowerShell、仮想化、Android、復旧。
振り返ると、
個々の機能は決して革新的に見えなかったかもしれない。
だが、すべてに共通する一本の軸があった。
Windows 11 は「進化」ではなく「前提変更」である
Windows 11 は、
Windows 10 の上位互換
ではない。
多くの違和感や不満は、
前提条件が変わったことに起因している。
- 信頼しない前提
- 仮想化前提
- クラウド前提
- 再構築前提
この変化を受け入れられるかどうかが、
Windows 11 を使いこなせるかの分岐点になる。
技術者が感じた「不自由さ」の正体
この連載を読んでいる技術者なら、
一度はこう思ったはずだ。
昔の方が自由だった
それは事実だ。
だが同時に、
昔の Windows は無防備すぎた。
Windows 11 の不自由さは、
技術者の裁量を奪うためではなく、
事故を起こさせないため
に設計されている。
Windows 11 は人を信用しない
これは悪口ではない。
Windows 11 は、
- ユーザーを信用しない
- 管理者を信用しない
- ローカル環境を信用しない
だからこそ、
- 確認を求め
- 分離し
- 監視し
- 戻せるようにする
この姿勢は、
現代の脅威モデルを正しく反映している。
使いこなすとは「逆らわない」こと
Windows 11 を使いこなすとは、
裏技を駆使することではない。
- 無理に無効化しない
- 意図を理解する
- 設計に合わせて運用する
これは、
OS と対立しない姿勢だ。
逆らえば逆らうほど、
Windows 11 は扱いにくくなる。
技術者の役割は変わった
Windows 11 において、
技術者は
何でも直せる人
ではない。
壊れない設計をし、すぐ戻せる人
であることが求められている。
この役割変化を受け入れられないと、
Windows 11 は敵に見える。
Windows 11 が示す未来
この OS は、終着点ではない。
- デバイスはさらに抽象化され
- OS はサービス化し
- 管理は定義ベースになる
Windows 11 は、
その途中段階だ。
最後に
Windows 11 は、
決して「楽しいOS」ではないかもしれない。
だが、
- 安全で
- 管理可能で
- 壊れにくく
- 戻しやすい
という点において、
これまでで最も 現実的な Windows だ。
この連載が、
「Windows 11 は使えない」という評価を
「どう付き合うべきか」へ変える
きっかけになれば幸いだ。
連載完結
技術者のための Windows 11 全16回

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