第16回(最終回):Windows 11 を使いこなすということ

― 機能ではなく、思想を理解する

ここまで 15 回にわたり、
Windows 11 を 技術者の視点で見てきた。

UI、セキュリティ、ストレージ、認証、ネットワーク、
PowerShell、仮想化、Android、復旧。

振り返ると、
個々の機能は決して革新的に見えなかったかもしれない。

だが、すべてに共通する一本の軸があった。


Windows 11 は「進化」ではなく「前提変更」である

Windows 11 は、

Windows 10 の上位互換

ではない。

多くの違和感や不満は、
前提条件が変わったことに起因している。

  • 信頼しない前提
  • 仮想化前提
  • クラウド前提
  • 再構築前提

この変化を受け入れられるかどうかが、
Windows 11 を使いこなせるかの分岐点になる。


技術者が感じた「不自由さ」の正体

この連載を読んでいる技術者なら、
一度はこう思ったはずだ。

昔の方が自由だった

それは事実だ。

だが同時に、
昔の Windows は無防備すぎた

Windows 11 の不自由さは、
技術者の裁量を奪うためではなく、

事故を起こさせないため

に設計されている。


Windows 11 は人を信用しない

これは悪口ではない。

Windows 11 は、

  • ユーザーを信用しない
  • 管理者を信用しない
  • ローカル環境を信用しない

だからこそ、

  • 確認を求め
  • 分離し
  • 監視し
  • 戻せるようにする

この姿勢は、
現代の脅威モデルを正しく反映している


使いこなすとは「逆らわない」こと

Windows 11 を使いこなすとは、
裏技を駆使することではない。

  • 無理に無効化しない
  • 意図を理解する
  • 設計に合わせて運用する

これは、
OS と対立しない姿勢だ。

逆らえば逆らうほど、
Windows 11 は扱いにくくなる。


技術者の役割は変わった

Windows 11 において、
技術者は

何でも直せる人

ではない。

壊れない設計をし、すぐ戻せる人

であることが求められている。

この役割変化を受け入れられないと、
Windows 11 は敵に見える。


Windows 11 が示す未来

この OS は、終着点ではない。

  • デバイスはさらに抽象化され
  • OS はサービス化し
  • 管理は定義ベースになる

Windows 11 は、
その途中段階だ。


最後に

Windows 11 は、
決して「楽しいOS」ではないかもしれない。

だが、

  • 安全で
  • 管理可能で
  • 壊れにくく
  • 戻しやすい

という点において、
これまでで最も 現実的な Windows だ。

この連載が、
「Windows 11 は使えない」という評価を
「どう付き合うべきか」へ変える
きっかけになれば幸いだ。


連載完結

技術者のための Windows 11 全16回


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