1994年5月6日、イギリスとフランスを結ぶ英仏海峡トンネルが正式に開通した。
グレートブリテン島とヨーロッパ大陸を鉄道で直接結ぶこのトンネルは、
長年構想されてきた海峡横断交通の悲願を実現するものとなった。
英仏海峡トンネルは、ドーバー海峡(英仏海峡)の海底を通過する鉄道専用トンネルで、
「ドーバー海峡トンネル」や「ユーロトンネル」とも呼ばれている。
何が起きたのか
英仏間を結ぶ史上最大級の海底トンネルが開通
開通式は1994年5月6日に行われ、
両国の首脳や関係者が出席し、歴史的節目を祝った。
このトンネルにより、
- 英仏間の移動時間が大幅に短縮
- 天候に左右されない安定輸送が可能
- 人的・経済的交流の促進
といった効果が期待されている。
トンネルの構造と技術的特徴
3本構成の大規模海底トンネル
英仏海峡トンネルは、計3本のトンネルから構成されている。
- 直径7.6mの鉄道トンネル:2本
- 直径4.8mのサービス(保守用)トンネル:1本
これらは連絡通路で結ばれ、
鉄道トンネルには列車走行時の風圧を逃がすためのダクトも設けられている。
掘削にはTBM工法およびシールド工法が用いられ、
最先端の土木技術が投入された。
規模と主要データ
- 総延長:約50.49km
- 海底部延長:約37.9km
- 最大水深:約60m
- 軌間:標準軌(1,435mm)
- 構造:本トンネル2本+サービストンネル1本
- 建設費用:約1兆8,000億円
海底部分の距離では、青函トンネルを上回り世界最長となった。
一方、陸上部を含めた総延長では、世界第3位に位置づけられている。
なぜ重要なのか
英国と欧州を「陸続き」にした意義
英仏海峡トンネルの開通は、
- 島国イギリスが初めて大陸と陸路で接続
- 欧州統合の象徴的インフラ
- 国境を越えた高速・大量輸送の実現
という点で、政治・経済・交通の各面で画期的とされている。
フェリーや航空機に依存していた英仏間移動のあり方を、
根本から変える可能性を持つ。
長い構想と建設の歴史
18世紀から続いた海峡横断の夢
英仏海峡トンネル構想は、18世紀半ばにまで遡る。
- 1751年:海峡横断交通案の公募
- 1802年:ナポレオン1世にトンネル案提出
- 19世紀後半:試掘と中断を繰り返す
- 1986年:英仏両政府が正式認可
- 1990年12月:トンネル貫通
実現までに200年以上を要した計画だった。
今後の展望
開通後は、旅客輸送と貨物輸送の本格運用が始まる予定で、
経済効果や交通需要の変化が注目されている。
一方で、
- 巨額の建設費回収
- 運営体制の安定化
- 安全管理
といった課題も残されている。
まとめ
- 1994年5月6日、英仏海峡トンネルが開通
- 英国と欧州大陸を結ぶ初の海底鉄道
- 海底部37.9kmで世界最長
- 200年以上の構想を経て実現
英仏海峡トンネルは、20世紀最大級の国際土木プロジェクトとして、
欧州交通史に新たな一頁を刻んだ。


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